奈良の動物病院 山尾獣医科病院

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コキアの移植

冬、花壇に転がしておいた咲き終えて刈り取っておいたコキアから、種がどんどんこぼれて蒔かれ、この春あっちこっちで芽を出しました。収拾がつかない状態にまで発展し、計画性のない植え付け状態が発生しています。最初はコキアと気づかず抜いていたのですが、今はなんとなく育てています。

しかしコキアは大きくなると高さが40~50cm。太いところで直径30~40cmほどの楕円形に膨ら、みなんともユーモラスな容姿を作ります。するとお隣同士が接近していると、くっついた所がペシャンコにへしゃげた形に生長してしまい、ちょっと悲しい形を作ります。

そこでこの度思い切って植える位置をずらしてあげることにしました。

ところがコキアは植え替えがとても苦手な植物で、以前もやってみたのですが上手くいきません。根っこがまっすぐ下に伸びてゆくので、移植ゴテで概ね根っこのあるらしい土を切り込み、予め位置を決めて穴を掘ってあったところにソッと移し替える方法を取りました。土を落とすことなくソッと。しかし横に張っていた根っこが残っていたのでしょうかプチッと音がします。

4本ほど移植を試みました。そのうちの1本がこれです。

移植後水もしっかりとあげておきました。

でも翌日の葉っぱの色はきれいな黄緑ではなく薄い今にも枯れそうな色。そして葉っぱの先はピンッと張っていなくて萎れています。

そしてほとんどの苗は何とか一雨ごとに元気なり、細い葉っぱの先までピンッと張っています。

しかしこの苗だけが萎れ続けていました。

これでは枝垂れコキアです。

上手く根付いて水を吸い上げてくれれば良いのですが。(翌日、少し葉っぱが起き上がって来ました。)

そしてその翌日。もっと葉っぱの元気が出て来ました。どうやら移植時に傷めた根っこの細胞が再生したのか、新たな根が張り出してきたのだと思われます。

組織の再生力に感謝。

思えば体の修復も血管再生が大きな鍵を握っており、隅々の組織に栄養や酸素を送り込んだり、老廃物を運び去ったりするのは血管です。血流を大事にしておかねば健康の維持は出来ないでしょう。

最近老齢の子や神経障害・循環器障害の子に脂肪酸を主体とした鎮痛効果ももたらすサプリメントを使用しております。あくまでもなんとなくですが、使用して貰っているご家族にお聞きすると、どなたもなんとなく元気が上昇している。活動時間が増えた。活動力も増えたと評価されています。やはり血液の循環促進は重要なポイントかもしれません。

今回上手く移植が成功したとした場合、その要因としては1)時期:梅雨に行ったため極度な乾燥から守る事ができた。 2)元気な個体であった 3)移植方法が良かった などが挙げられますが、一番生長していた元気な個体でしたがやはり萎れてしまった事。移植方法はこの個体に関しては根がある程度生長していたため、傷める確率が一番高かったことから2)3)は恐らく関係なく、ほぼ1)によるところが多いかと思われます。当初は水のやりすぎは根腐れを起こさないかと心配しましたが、最初の3~5日ほどは精力的に水遣りを励行するほうが良いと考えます。

それと成長段階の時期も関連してくるようで、背丈がある程度小さいほうが根付きやすいような気もしました。

がんばれ!コキア!!

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