♪ 自宅での治療のコツ、病気の考え方などなど

犬が飼い主の笑顔を認識できる実験

火曜日, 3月 1st, 2011

犬が飼い主の笑顔を認識できるかどうかの実験を、神奈川県相模原市にある麻布大学獣医学部の永沢美保特任助教(動物行動学)らが実験で立証し、ドイツの専門誌に報告するそうです。http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011022701000462.html

確かに動物たちは声の表情や我々の動きの速さなどに敏感に反応します。

私たちもピリピリしている動物を前にしたとき、出来るだけゆっくりと行動したり話す速度を緩やかにしたりいろいろと工夫します。

すると時間が経てば動物たちの表情はかなり和らいでくるような気がします。

また飼い主さんが動物の病気のことで悲しんだり落ち込むと、動物たちは理由は判断できないが悲しくなるような気がします。

チョコレートを食べちゃった

土曜日, 2月 19th, 2011

2月はバレンタインデーというイベントがあります。

この時期になると毎年「犬がチョコレートを食べてしまいました~」って電話が入るのです。

今年も紛れもなく診察が終わる7時30分に電話がありました。嫌な予感が的中!!チョコレートを食べてしまった・・・というのです。

早速来院を促しました。

よ~く聞くと、チョコレートは小さいのを一つと後はチョコの入ったクッキーみたいです。どうも子供さんの友達同士の交換で頂かれたのでしょうか。携帯電話で子供さんと連絡を取りながら答えておられました。

チョコレートはそもそもなぜいけないのか。それはテオブロミンという成分が中毒症状を示すからです。下痢、嘔吐に始まり激しいものでは虚脱や痙攣発作まであるのです。

ではどれくらい食べたらいけないのか。教科書的には体重1kgの犬でテオブロミン115mg食べると中毒症状がでる言われています。チョコにはミルクチョコレートもあれば生チョコもあり、その成分の含有量は様々です。

今回の症例ではかなり少ない量だったようなので、吐かせるべきかどうか多少迷いましたが気味が悪いので吐かせる事にしました。

お薬を飲ませて15分経過。まだ吐きません。もう少しお薬を投与しました。そして立つ事10分。お外を雨の中ブラブラしてもらっていたのですが「出ました~」と声が返ってきました。早速走って見に行くと、なんだか包み紙に包まれた物が数個と、セロハンに包まれた物も数個。暗がりなので院内に持って入りました。

そして詳しく確認すると、紙に包まれたチョコレートが5個(大きさはマッシュルーム大)、そしてかなり大きなセロハンに包まれたチョコレートのお菓子の包みが2個。

どうやら飼い主さんが認識しておられた量とは隔たりがありました。

念のため吐かせてよかった~。と思わず・・・・。

黄砂

木曜日, 1月 20th, 2011

今月始めは雨模様が続きました。そのあと車の窓やボディは黄砂でいっぱい汚れませんでしたか。

そして16日ごろより周囲ではくしゃみや咳き込む人が増えています。

動物たちも2~3日前より皮膚のかゆみや赤みを訴えてくる症例が増加してきています。どうやらスギ花粉より一足早めのアレルゲンのようです。

はてさて1年中なんらかのアレルゲンに悩まされます。皮膚のケアには十分に注意が必要です。

ケアの仕方は皮膚の状態により様々ですので、獣医師もしくは獣医看護士にご相談ください。

気温の低下とハチ

火曜日, 11月 16th, 2010

気温がかなり低下してきました。こんなときハチの動きが鈍くなり、飛ぶことが出来ずに動物の目の前で地面をおもちゃのように動き回ります。イヌやネコにしてみれば格好の獲物。動きが面白いし直ぐに手を伸ばせばキャッチできます。

するとハチはまだ毒針を所持しておりますので、イヌやネコの手や口にその毒針が刺さると毒が体内に入りアレルギーを起こします。腫れて痛みを覚えて、時には嘔吐や意識の混迷も起こることがあるのです。

もしもこのような光景にであったら、直ぐに引き離して処理してください。時には命に関わることもあります。もちろん素手で触るといけません。人も十二分に注意してください。

気温低下と心臓疾患

土曜日, 10月 30th, 2010

急に気温が低下しております。こんなとき、6歳以上の中年から10歳以上の老齢動物に見られる多い病気の一つに心臓疾患があります。

特に犬で多いのですが、症状は咳や疲れやすさ。時には興奮後に倒れるとか息遣いが荒いなんていうのもあります。よく見ると舌の色が良くないこともあります(チアノーゼ)。

放っておくと必ず速度を上げて悪くなります。大抵の心疾患は元通りはできませんが、長く楽に付き合いながら生活を楽しく過ごすことができます。

原因はさまざまです。以前まではフィラリア症が一番多かった心疾患でした。現在は予防が進み、ほとんど見なくなりました。最近は僧帽弁閉鎖不全症という疾患が一番多いと思われます。(大日本製薬 DSファーマーアニマルヘルスHPサイト http://www.petful-life.jp/

日ごろより十分な観察は必要ですが、今のように寒くなったり、猛暑となる時期はとても注意が必要です。寒い時期は暖かいところから寒いところへ出るときなどは要注意です。また犬は多少窮屈かもしれませんが、保温性を高めるための服などの着用も良いアイデアかもしれません。

日ごろから獣医師による検診を受けておき、また6~8歳以上なら胸部レントゲン検査、心エコー検査を受けるのも節目の検診と言えるでしょう。また早期の治療開始も病気の進行を遅くさせるという報告が多く、実際に有効であると感じます。

秋のアレルギー性皮膚炎

土曜日, 11月 28th, 2009

11月に入って第2週目くらいから、突如皮膚の痒みを訴えたり、時には下痢を主症状として来院されるケースが増えております。

実は私も同じ時期、目が少し痒くなったりクシャミが出たりいたしまして、秋のアレルギー症状の訪れをひしひしと感じておりました。

おそらくブタクサやイネ科植物の花粉による季節性のアレルギーが疑われます。

皮膚の症状が強い場合は、適切なシャンプーで洗い流し、散歩の後はブラッシングを励行。それでも痒みが止まらない時は病院に行きましょう。

あくまでも花粉によるアレルギーですと時期が終われば症状も終息しますので、その間の対応が大切です。しっかりと獣医師に相談してください。

皮膚病のシャンプーの仕方

月曜日, 8月 31st, 2009

シャンプーを用いた皮膚の洗浄の仕方について少しお話ししておきます。

アレルギーやアトピーなどの皮膚疾患で、シャンプー療法はとても大切な治療の柱です。皮膚の環境を整備してあげることで、痒みがコントロールできることも多いからです。特に皮膚の表面にある角質を整えることが一番重要です。

この角質が荒れていれば外からの攻撃を受けやすいですし、アレルゲンが侵入しやすいのです。そこであまり手荒く扱ったり、温度が高い洗浄液で洗ったり、高熱で乾燥させてはいけません。また温度が高くなると痒みが増すのは誰もが一度は経験したことがあるはずです。そこで下記にざっと注意事項やポイントを挙げておきます。

1、シャンプーするときは予め毛をしっかりと濡らし、シャンプー液を用いて背中から洗い始めます。毛から皮膚に浸透するようにあわ立てて、体の各部位を丁寧に洗うのです。このときの水温は10~15度と言われていますが、夏場の水道の水温でも20度ほどはありますので、お湯を使わなければいいと言うところでしょう。

2、洗うときは指の腹で優しくマッサージするように洗う。決してゴシゴシしてはいけません。

3、シャンプーが皮膚に浸透して行く必要があるので、10~15分ほどそのままにして洗い流さないでください。泡だらけのまま一緒に遊んだり、庭で走り回ったりしても良いでしょう。出来ればブルブルっと薬液を弾き飛ばさないほうがいいのですが、大抵はやっちゃいます。シャンプー療法は人で行う軟膏治療みたいなもんだと解釈しておいてください。滲みこませる必要がある・・・ということです。

4、そして時間がくれば泡がなくなるまでしっかりと洗い流します。

5、タオルで水分を吸い取ります。このときも指を立ててゴシゴシしてはいけません。ついやってしまうものですが。ドライヤーを使いたいときはタオルに吸い込んだ水分を乾燥させるように、皮膚に熱風をかけず、タオルにかけるようにして乾燥させましょう。できるだけドライヤーの使用は避けたほうが良いです。

6、角質が弱っているときは獣医師と相談の上保湿剤を使います。


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