奈良の動物病院 山尾獣医科病院

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ダニ?マダニ?

梅雨前の6月。気持ちが良いですね。

休診日の午後、チューリップの球根を土から掘り出し作業をしました。これから数か月涼しいところで過ごさせてやり、また12月に植えようと思います。

僕は作業の間ずっと作業用の「つなぎ」を着てます。そして足元は長靴。目元はターミネータのようなサングラスです。

皮膚を露出しないようにしているのですが、決して美を追求しているのではありません。もちろん直射日光に素肌が晒されるとメラニン色素が増えてシミも増えますし、目から紫外線量が増えますと白内障の発症理由にもなり、また脳が紫外線侵入情報をキャッチすると、皮膚のメラニン色素細胞を活動させ深い部分への紫外線侵入を防がせようとするのです。

しかしそれだけではありません。一番心配なのはマダニです。

マダニはSFTS(重症熱誠血小板減少症候群)ウィルスを媒介する厄介な生物です。SFTSウィルスに感染すると血小板の減少、嘔吐、下痢、発熱、腹部痛、倦怠感などにより、最悪は死に至ります。

マダニのお話をしますと皆さんは「ああアレルギーのハウスマイトの事ですね。コナダニ、ツメダニ、コナヒョウダニでしたっけ」とおっしゃる方がおられます。

そうですよね。ダニと名前が付けばわかりにくいです。しかしマダニとハウスマイトのダニは親戚筋なのですが、かなり系統が異なります。そこで簡単に調べたダニの流れを示しますが、これはほんのごく一部です。私たちの身の回りでよく見かけるものを挙げました。

ダニ目

  アシナガダニ亜目
  トゲダニ亜目
  マダニ亜目 マダニ科(ライム病、日本紅斑熱、ロッキー山紅斑熱、SFTSを媒介)
  ケダニ亜目 ツツガムシ科(ネズミなどを吸血しツツガムシ病を媒介)
        ツメダニ科(他の小さなダニを捕食)
        ニキビダニ科(動物の汗腺に寄生)
        ハダニ科(植物に寄生)
  ササラダニ亜目
  コナダニ亜目 コナダニ科(砂糖や乾物に発生)
         チリダニ科(カーペット、布団、ベッド、枕などに発生)アトピー性皮膚炎の原因
         ヒゼンダニ科(皮膚に穿孔し寄生)

こうしてみますと、私たちの周りではダニからの感染症がとても多く、またダニによる病気の関連も多いことに気づかされます。

怖い病気を予防するには、そもそもが異なるため予防対策もかなり異なることになるのです。

40年ほど前まではマダニ・ノミの駆除と言いますと、毒性の強い散布剤か、動物の首に巻く駆除剤がメインでした。

その後より安全な体への散布式の駆除・予防剤が出てきて、同じ薬剤がスポット剤として動物の首背部に垂らして体全体に行き渡らせる薬剤が主流となり、現在はよりコンプライアンスの良い内服がこれに変わってきています。

しかし予防をいくら実施しても、やはりこの季節草むらに侵入するのは危険です。

君主危うきに近寄らず!!です。

くれぐれもご注意を。

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